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【EU航空ルール大改正】機内持ち込み手荷物が無料に?座席指定や「往路を捨てたら復路無効」も禁止へ

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LCC
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ヨーロッパの航空券の常識が、大きく変わろうとしています。

EUでは航空旅客の権利を強化する大規模な制度改正が進み、機内持ち込み手荷物の扱い、子ども連れの座席指定、往路便に搭乗しなかった場合の復路便の扱いなど、旅行者にとって身近なルールが見直されることになりました。

特にLCC利用者にとってインパクトが大きいのが、機内持ち込み手荷物です。

ただし、ここで注意したいことがあります。

新しいルールは決まったからといって、今日から利用できるわけではありません。

ここを勘違いすると、空港で「EUで無料になったはずなのに!」というトラブルにもなりかねません。

EUで22年ぶりとなる航空旅客ルールの大改革

今回の改革は、現在のEUにおける航空旅客保護の中心となっている「EU261」と呼ばれるルールを大きく見直すものです。

欧州議会では2026年7月7日に賛成646票、反対12票という圧倒的多数で承認され、その後7月13日にはEU理事会でも最終的な承認が行われました。

旅行者目線で見ると、かなり踏み込んだ内容になっています。

  • 一定の機内持ち込み手荷物を航空券価格に含める
  • 14歳未満の子どもが同伴者の隣に無料で座れるようにする
  • 往路を利用しなかったことを理由に復路を自動的に無効にする扱いを禁止
  • 遅延・欠航時の旅客保護を維持・強化
  • 補償請求の手続きを明確化

航空会社側からすると、これまで追加料金を徴収できていた部分にも影響する可能性があり、特にLCCの料金体系には大きなインパクトがありそうです。

一番気になる「機内持ち込み手荷物無料化」

日本人旅行者にとっても分かりやすい変更が、機内持ち込み手荷物です。

ヨーロッパのLCCでは現在、座席下に収まる小さなバッグだけを無料とし、一般的なキャリーケースを機内へ持ち込むには追加料金が必要という料金体系が珍しくありません。

航空券検索サイトでは「2,000円」と表示されていたのに、キャリーケース、座席指定、決済などを追加していくと最終的に1万円近くになる――というのも、ヨーロッパLCCではおなじみの光景です。

新ルールでは、航空券に一定の機内持ち込み手荷物を含める方向となるため、こうしたLCCの「手荷物で稼ぐ」ビジネスモデルにも影響が出る可能性があります。

14歳未満なら親の隣の席を無料に

家族旅行で嬉しい変更となるのが、座席指定に関するルールです。

14歳未満の子どもについては、同伴する大人の隣に追加料金なしで座れるようにすることが盛り込まれました。

LCCでは座席指定を有料化している会社が多く、家族全員で並んで座ろうとすると、それだけでかなりの追加料金になることがあります。

特に小さな子どもまで親と離れた座席になってしまう可能性については以前から問題視されており、今回の改革では旅客保護を優先する形となりました。

「往路に乗らなかったら復路も無効」ができなくなる

航空券に詳しい人にとって、こちらの方が驚きかもしれません。

往復航空券では現在、最初の区間を利用しなかった場合、それ以降の予約がキャンセルされることがあります。

例えば東京からヨーロッパへ往復航空券を購入し、何らかの理由で往路だけ別の航空会社を利用したとします。

「帰りの航空券は持っているから、そのまま使えばいい」と思っていると、往路のノーショーを理由に復路までキャンセルされている可能性があります。

航空業界では昔からあるルールですが、一般の利用者には非常に分かりにくい仕組みです。

今回の改革では、往路便に搭乗しなかったという理由だけで、復路便への搭乗を拒否する扱いができなくなる方向となります。

ただし超重要!まだ新ルールは始まっていない

ここまで読むと、「次にヨーロッパへ行くときはキャリーケース無料だ!」と思ってしまいそうですが、注意が必要です。

2026年8月現在、新ルールはまだ適用されていません。

新しい規則はEU官報に掲載された後、定められた移行期間を経て適用される予定です。

そのため、それまでは現在のルールがそのまま適用されます。

特に機内持ち込み手荷物については、現在利用する航空会社が有料としているのであれば、今のところその料金を支払う必要があります。

空港カウンターで「EUで無料化されたと聞いた」と主張しても通用しないので、ここは間違えないようにしたいところです。

むしろ今すぐ覚えておきたいのが「EU261」

新制度ばかりに注目が集まっていますが、実は現在のEUの航空旅客保護制度も日本と比べるとかなり強力です。

条件を満たす大幅遅延、欠航、搭乗拒否などが発生した場合、現在でも以下の補償を受けられる可能性があります。

対象となるフライト補償額
1,500km以下 250ユーロ
EU域内1,500km超、およびその他1,500〜3,500km 400ユーロ
その他の長距離便 600ユーロ

600ユーロともなれば、日本円にするとかなり大きな金額です。

原則として到着が3時間以上遅れた場合のほか、出発14日前を切ってからの欠航や、オーバーブッキングなどによる搭乗拒否も対象になる可能性があります。

もちろん悪天候など航空会社がコントロールできない「特別な事情」では金銭補償の対象外となる場合もあるため、遅れれば必ず250〜600ユーロがもらえるという制度ではありません。

実は「3時間」をめぐって大きな攻防があった

今回の改革で重要なのが、遅延補償の基準です。

EU理事会側では、補償対象となる遅延時間のハードルを引き上げる案も議論されていました。

これに対して欧州議会は、現在の「3時間」という基準を維持することを重視しました。

利用者側から見れば、手荷物や座席指定の無料化と同じくらい重要なポイントでしょう。

補償請求も分かりやすくなる

制度があっても、「どうやって請求すればいいのか分からない」では意味がありません。

そこで新制度では、旅客が補償を請求するための手続きについても明確化されます。

新しいルールの適用後は、対象となる旅客には9か月の請求期間が設けられ、航空会社側は請求を受けてから30日以内に支払いを行うか、支払わない理由を説明する仕組みとなる予定です。

EU261は非常に強力な制度である一方、実際の請求では航空会社とのやり取りに時間がかかるケースもありました。期限が明確になることで、実効性の向上にも期待できます。

RyanairなどヨーロッパLCCにはかなり大きな影響?

今回の改革で特に注目したいのは、RyanairやWizz Airなど、付帯収入を重視するヨーロッパのLCCがどのように対応するかです。

LCCは安い基本運賃を入口として、手荷物、座席指定、優先搭乗などを追加販売する「アンバンドル」と呼ばれる仕組みを発展させてきました。

もしこれまで有料だったサービスの一部を基本運賃へ含める必要が出てくれば、その分をどこかで回収する必要があります。

結果として、「手荷物は無料になったけれど、航空券の最低価格そのものが上がる」という可能性も考えられます。

旅行者にとって本当に安くなるのか、それとも料金表示が分かりやすくなるだけなのか。このあたりは新制度が実際に始まってから見えてきそうです。

ヨーロッパ旅行では「今のルール」と「これからのルール」を混同しないように

機内持ち込み手荷物、子どもの座席指定、往路を利用しなかった場合の復路航空券――今回の改革には、一般の旅行者にも分かりやすい変更が数多く盛り込まれています。

航空会社にとっては大きな負担となる一方、利用者からすれば「それって最初からそうあるべきでは?」と思う内容も少なくありません。

ただし、繰り返しになりますが新しいルールはまだ適用前です。

これからヨーロッパへ旅行する人は、新制度のニュースだけを見て判断せず、実際の搭乗日時点で適用されているルールと、利用する航空会社の手荷物・座席指定条件を確認しておく必要があります。

そして今すぐ使える知識として覚えておきたいのが、3時間以上の大幅遅延などで最大600ユーロの補償を受けられる可能性があるEU261。ヨーロッパ旅行中に欠航や大幅遅延に遭遇したら、「仕方ない」で終わらせる前に補償対象になっていないか確認してみる価値はありそうです。

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