海外旅行で便利な金融サービスとして、日本でも利用者が増えているRevolut(レボリュート)。これまでアプリを中心にサービスを拡大してきた同社が、ついにリアルな空港サービスへ進出します。
Revolutは2027年から、ヨーロッパで「Revolut Lounge」と呼ばれる独自の空港ラウンジを展開する計画です。
その第1号に選ばれたのが、デンマークのコペンハーゲン空港。
しかもRevolutが単独でラウンジ運営へ参入するのではなく、世界各地で空港ラウンジを展開しているPlaza Premium Group(プラザ・プレミアム・グループ)と共同で運営する予定となっています。
2027年、コペンハーゲン空港に「Revolut Lounge」誕生へ
Revolutが計画しているのは、既存のラウンジアクセスサービスにRevolut会員を追加するだけではありません。
Revolut自身のブランドを冠した空港ラウンジを作るという、かなり踏み込んだ取り組みです。
第1号となるRevolut Loungeは2027年にコペンハーゲン空港でオープンする予定。その後はヨーロッパの主要市場へ展開していく計画とされています。
つまりコペンハーゲンだけの実験的な施設ではなく、将来的なラウンジネットワーク構築を前提とした第1号店という位置付けになりそうです。
運営パートナーはPlaza Premium Group
気になるラウンジ運営については、RevolutとPlaza Premium Groupがパートナーシップを組みます。
Plaza Premiumといえば、香港やロンドン、ヘルシンキ、クアラルンプールなど世界各地の空港でラウンジを展開している、空港ラウンジ業界ではおなじみの存在です。
日本でも中部国際空港などに展開しているため、実際に利用したことがある人もいるでしょう。
Revolutとしてはゼロからラウンジ運営のノウハウを構築するのではなく、すでに世界各国で実績を持つPlaza Premium Groupと組むことで、一定以上のサービスレベルを最初から確保する狙いがありそうです。
Revolutはすでに空港ラウンジサービスを提供している
もっとも、Revolutと空港ラウンジの関係は今回が初めてではありません。
Revolutでは現在もアプリから対象となる空港ラウンジを検索・利用できるサービスを提供しており、プランによってラウンジ利用に関する特典が異なります。
特に上位のUltraは旅行関連サービスを重視したプランとなっており、空港ラウンジだけでなく空港でのFast Trackなども大きな特徴となっています。
そこからさらに一歩進み、他社ラウンジを「使える」だけではなく、自分たちでRevolut Loungeを作ってしまうというのが今回の発表です。
イメージとしては「アメックス・センチュリオン・ラウンジ」に近い?
この戦略を聞いて思い浮かべるのが、アメリカン・エキスプレスの「センチュリオン・ラウンジ」です。
クレジットカード会社が単純にPriority Passなどのラウンジ会員権を付帯するのではなく、自社ブランドの空港ラウンジを用意することで、上位顧客に独自の旅行体験を提供するモデルです。
近年はCapital OneやChaseなども独自ブランドのラウンジを展開しており、特にアメリカでは「プレミアムカード=自社ラウンジ」という競争が激しくなっています。
Revolut Loungeも方向性としてはこれに近く、フィンテック企業でありながら、従来のプレミアムクレジットカードが提供してきた世界へ進出することになります。
なぜ第1号がコペンハーゲンなのか?
少し意外なのが、第1号ラウンジとしてロンドンやパリではなく、コペンハーゲンが選ばれたことです。
Revolutは北欧市場で急速に利用者を増やしており、北欧諸国ですでに200万人以上の顧客を抱えています。
さらにデンマークだけでも2027年までに50万人規模の顧客獲得を目指しており、Revolutにとって重要な成長市場の一つとなっています。
コペンハーゲン空港自体も北欧を代表するハブ空港の一つ。北欧域内だけでなく、ヨーロッパ各都市や北米、アジア方面への長距離路線も集まるため、ラウンジの第1号拠点としては理にかなっています。
コペンハーゲンにはすでにPlaza Premium系ラウンジも
ちなみにコペンハーゲン空港では、Plaza Premium Groupのネットワークで利用できるラウンジがすでに存在しています。
ターミナル3の非シェンゲンエリアには「Pearl Lounge」があり、食事やWi-Fiのほか、シャワー、ワークスペース、ビジネスルームなどを備えています。
今回のRevolut Loungeが既存施設とはどの程度差別化されるのかも注目したいところです。
せっかくRevolutブランドを掲げるのであれば、単なる「Plaza Premium Loungeの色違い」ではなく、Revolutらしい独自サービスにも期待したくなります。
誰が無料で使える?Ultra会員向けになるのか
そしてRevolutユーザーにとって一番気になるのが、「誰がRevolut Loungeに入れるのか」という点でしょう。
現時点では、具体的にどのプランなら無料利用できるのか、同伴者はどうなるのかといった詳細な利用条件までは明らかになっていません。
RevolutにはStandardからUltraまで複数の料金プランがあり、既存の空港ラウンジサービスでもプランによって条件が異なります。
独自ラウンジまで展開するとなれば、Ultraをはじめとする上位プランの魅力を高める重要な特典になる可能性は十分ありそうです。
「スマホの中の銀行」からリアルな旅行サービスへ
個人的に今回面白いと思うのは、Revolutが完全なデジタルサービスから、空港というリアルな場所へ進出することです。
Revolutはこれまで、外貨両替や海外決済、送金、旅行関連特典など、「海外旅行との相性が良い金融サービス」をアプリの中で提供してきました。
ところがRevolut Loungeが誕生すれば、空港に到着してラウンジへ入った瞬間にもRevolutブランドと接することになります。
これは単なるラウンジ特典の追加ではなく、Revolutが「旅行で使うカード」から「旅行体験そのものを提供するブランド」へ広がっていく動きとも見ることができます。
日本にもRevolut Loungeはできる?
日本の利用者として気になるのは、やはり将来的な日本進出です。
現時点で発表されている第1号はコペンハーゲンで、その後についてもまずはヨーロッパの主要市場を中心に展開する方針となっています。
そのため、成田や羽田、関西空港などにRevolut Loungeができるという情報は今のところありません。
ただ、Plaza Premium Groupはすでにアジアで大規模なラウンジネットワークを持っています。Revolut Lounge自体が成功すれば、将来的にヨーロッパ以外へ展開される可能性にも期待したいところです。
2027年のコペンハーゲンを皮切りに、Revolut Loungeはどこまで広がるのでしょうか。Priority PassやLoungeKeyなど「共通ラウンジを使う」サービスとは違った、新しい空港ラウンジ競争が始まりそうです。


