今日は航空業界の裏側、特に中国東方航空(China Eastern Airlines)について掘り下げていきたいと思います。表向きは普通の航空会社に見えますが、その実態は…?
赤字垂れ流しなのに生き残る不思議
まず驚くべきは、中国東方航空の経営状況です。2023年、同社は驚異の82億元(約1.13億ドル)の赤字を計上しました。これは中国の三大航空会社の中でもダントツの赤字額!中国国際航空(Air China)の10.4億元、中国南方航空(China Southern)の41億元と比べても、その規模は桁違いです。
さらに恐ろしいことに、この赤字は一過性のものではありません。なんと2023年は4年連続の赤字だったのです。普通の企業ならとっくに倒産しているはずですが…
謎の政府資金投入
なぜ中国東方航空は生き残れているのか?その答えは「政府資金」にあります。2020年、コロナ禍の真っ只中に同社は310億元(約46億ドル)もの資金を政府関連機関から受け取りました。これは単なる「支援」ではなく、中国政府の戦略的投資と見るべきでしょう。
中国政府は同社の株式の61.64%を保有しており、完全にコントロール下に置いています。つまり、中国東方航空は「会社」という体裁をとった国家機関と言えるのです。
ロシア上空飛行という切り札
2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、欧米の航空会社はロシア上空の飛行を避けるようになりました。これにより欧州〜アジア間のフライトは大幅な迂回を強いられ、燃料コストが増大。
しかし中国東方航空を含む中国の航空会社はロシア上空を堂々と飛行し続けています。この結果、欧州〜中国間の路線では、欧米系キャリアより5〜35%も安い運賃を提供できるようになりました。これは単なるコスト優位ではなく、欧米系航空会社を市場から追い出す戦略的な動きなのです。
2024年10月時点で、中国と西欧間の座席供給量は2019年比で18%も増加。英国、スペイン、イタリアへの直行便は25〜45%も増えています。欧米系航空会社が撤退する中、その空白を中国東方航空が埋めているのです。
徹底したコスト削減の裏側
中国東方航空のビジネスクラスでは、他の中国系メジャーFSC(フルサービスキャリア)と違ってハーゲンダッツのアイスクリームが提供されません。些細なことに思えますが、これは徹底したコスト削減の一環です。
表向きは「サービス向上」を謳いながら、実際には最小限のコストで最大限の路線網拡大を目指しているのです。
JALとの提携の真相
2018年、日本航空(JAL)と中国東方航空は共同事業に関する覚書を締結しました。これにより、日本国内50都市以上、中国国内80都市以上を結ぶネットワークが形成されることになりました。
しかし、この提携には隠された側面があります。JALで予約したつもりが、実際には中国東方航空が運航するコードシェア便だったというケースが少なくありません。日本の消費者は知らず知らずのうちに中国東方航空を利用させられているのです。
中国政府の世界戦略の一部
これらの事実を総合すると、中国東方航空は単なる航空会社ではなく、中国政府の世界戦略の重要な駒であることが見えてきます。
上海を拠点に、日本と欧米、東南アジアを結ぶハブ機能を強化。政府資金を背景に赤字を気にせず路線を拡大し、ロシア上空飛行という切り札で欧米系キャリアを市場から締め出す。そして日本の航空会社との提携を通じて、日本市場にも静かに浸透していく。
中国東方航空は、中国のメジャー都市経由で日本と欧米、東南アジアをつなぐ、中国政府お墨付きの戦略会社なのです。その背後には、航空ネットワークを通じた世界支配という壮大な計画が隠されているのかもしれません…
皆さんは次に飛行機に乗るとき、誰が本当にその翼を操っているのか、考えてみてはいかがでしょうか?